2009年8月22日付、The Economist誌のビジネス欄に掲載された記事です。
投資銀行の業務の両輪というと、助言業務(アドバイザリー)と様々な金融商品を取り扱うトレーディング業務ということになるかと思います。今回の金融危機の原因となったと散々叩かれてきたのは投資銀行の中でも特に後者だと思います。前者も、ドットコム・バブルの時のように、欲を出して、収益を向上させるためにIPOを煽ったりすると社会的な混乱を生む原因となることもあります。
とかく金融機関は、大きいことはいいことだ、といった感じで見られがちですが、この記事に出てくるケン・モーリス氏は逆のことを実践し、ここまでは成功を収めてきています。問題はこの先、欲に駆られて、拡大路線を歩むことで、大手銀行と同じような組織になってしまわないかだと思います。
世界経済の不均衡解消の処方箋としてドイツ経済の検証を行う記事の総括です。
そもそも貿易不均衡ってなぜ生じるのでしょうか。輸出を行う国が特定の優位性を持っていることが多くの場合理由のひとつになると思います。それが天然資源の場合もあれば、勤勉でよい製品を作れるから、ということもあれば、労働力が安く他の国よりも生産コストが抑えられるから、ということもあるでしょう。ドイツ国内でもいろいろと問題があることはこの記事を通じてわかりました。しかし、ドイツの輸入偏重を直すには周りの国の努力も同じように必要だと思います。この連載で一番最初に検証されたアメリカの時には、支出を減らすことが不均衡の解決につながると書かれていました。貿易黒字国の黒字をいかにして減らすか、に議論が偏らず、貿易赤字国の赤字をいかに減らすか、これらの国の商品の競争力をどうやって挙げるか、の議論をもっと聞いてみたいです。
明日からは、このシリーズの最終回、日本の検証を行う記事を連載します。かなり日本の将来に不安を覚えます。今日の夕方は、投資銀行についての新しい動きに関する記事を掲載する予定です。最近は、小柄で足回りのよい投資銀行が増えてきているそうです。
2009年8月17日付けのWall Street Journalに掲載された記事です。このブログでも二度ほどHigh Frequency Trading(HFT)に関する記事を掲載しました。どちらもどちらかと言うとHFTに関して批判的な記事でしたが、今回はHFTを好意的に捉えた記事を掲載します。この時期を書いたレビット氏は、元SECの議長で、現在はRiskMetricsというリスク管理システムを提供する会社の役員をやられているそうです。レビット氏がヘッジファンドの役員をしているのであれば、この記事を掲載しようとは思いませんでしたが、元規制当局の責任者で現在はかなり中立の立場の人がFHTの擁護をしているので、参考になると考えました。
内容は、HFTによって投資家が「得ることができたかもしれない」利益を若干失っているとしても、それ以上に得ているものがある、ということです。その最大のものが流動性です。HFTが流動性を提供しているために、望んだときに売買ができるという主張です。投資銀行はこのところかなり悪者扱いされており、それが一般投資家から搾取をしている、というのはさらに投資銀行を叩きたいマスコミにとっては格好の材料かもしれません。ただ、こんな記事を読んでもう一度冷静に良し悪しを考えてみるのも必要だと思います。
ちなみに過去にこのブログで掲載した関連の記事は下記でごらんいただけます。
http://merlion0520.jugem.jp/?eid=138 (The Economist誌)
http://merlion0520.jugem.jp/?eid=161 (ニューヨーク・タイム)
2009年8月22日付、The Economist誌のFinance
and Economics欄に掲載された記事です。
金融機関が破綻したときにどう処理するか、問題点はどこになるのかを整理しています。金融機関を社会インフラと考えれば、そもそも競争をするべき部門を排除して潰さないようにするのも一手だと思います。特に送金や決済と言った部門は、商取引が行われ続けるためには必要です。最低限の預金、貸し金もインフラに近い部分だと思います。そもそも潰さない部分と潰してもいい部分を分けて考えることが必要だと思います。潰してもいい部分に関しては、通常の破たん処理と同様に考えればいいのでは、と考えるとこの記事の言っていることはあまり意味がなくなります。
2009年8月8日付け、The Economist誌のFinance
and Economics欄に掲載された世界経済の不均衡是正に関する連載の第三弾です。今回はドイツに関する検証を行っています。
ドイツは貯蓄が多く、貿易黒字国であることはかなり知られていることだと思います。私が無知なだけかもしれないですが、それに対してヨーロッパ各国がここまでの規模の赤字国であるということは知りませんでした。欧州全体としてはバランスが取れていたが、各国の状況を見ると決してそうではなかったと、この記事は言っています。前にも書きましたが、そもそも本当に不均衡は是正しなければいけないものなのでしょうか。人為的に作られた不均衡ならば解消したほうがいいのかもしれませんが、国民性や勤勉さの違いから生じるものであればそのまま受け入れるしかないように思います。
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