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A special report on international banking - Exit right(第四回)
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金融機関に対する政府の関わりを説明した記事の最終回です。規制が強すぎると政府が金融機関の意思決定を行うようになってしまう恐れがあるっていうのが昨日の結論でした。でもそこまで規制をしなければいけない業態を民間企業の競争にさらすようなことにしておく必要があるのか、というのが私自身の基本的な疑問です。

 

今日の記事では様々な線引きを行うことでなにを規制すべきかを議論しています。今まで色々な線引きが試みられてきて、最終的にうまくいったものは何もなかったというのが現実だと思います。だとすると、金融機関は半官の機関にしてしまって、いかにお役所的な無駄をなくすか、といった議論にした方が現実的な気がします。
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不確実なとき Uncertain times

「マクロ・プルーデンス」政策による規制への傾倒が広がりは、経営者にとって不確実さがますます増えることも意味する。この政策によると、規制当局は個々の金融機関の健全性に加えて金融システムの安定性についてもしっかりと考慮する。よい結果を残しているような銀行でも、もし金融システム全体のリスクが上昇してしまうと、さらに高い費用を払わなければいけないことになってしまう可能性があるのだ。景気循環対策の原則は、景気のよいときには銀行に対して資本を増強し、悪いときには減少するように求めているが、これも当局の判断にゆだねることになってしまうかもしれない。

 

この産業の規制当局を悩ませる二つの大きな構造上の問題は次のとおりだ。「実用性のある」リテール向けの銀行を「カジノ」のような投資銀行から区別するのか、そして、大きすぎてつぶせない銀行に対して何をするのか、である。今回の危機の結果、どちらの問題もいっそう重要性を増した。JPモルガン・チェースによるベア・スターンズ、バンク・オブ・アメリカによるメリル・リンチの買収のような案件は、リテールと投資銀行の境界をはっきりさせるのではなく、さらに曖昧なものにした[訳注1]。ウェルス・ファーゴとワコビア、ロイズTSBとHBOS、コメルツ銀行とドレスナー銀行の合併は、すでに非常に大きかった規模を小さくするのではなく、さらに膨張させた。具体的には、米国で上位の銀行に預金が集中する傾向は、これらの案件の結果加速されている。

 

リテールと投資銀行を分けるための新たなグラス・スティーガル法[訳注2]の必要性や、規模に応じてより高い資本を課する必要性に関する議論はあるものの、金融機関を分割する考えは、あまり多くの賛同を得ていない。どのようなビジネスモデルであっても、今回の危機を無傷で通り過ぎてはいない。銀行を重要すぎてつぶせないと考えさせる要素は、明らかに規模だけではない。

 

独立の投資銀行も破綻し、グローバル金融の枠組みの中心に位置しすぎていると速やかに消え去ることができないことは、リーマンの一件がまざまざと示した。純粋なリテール銀行も崩壊した。投資銀行のビジネスが賭博的な要素を持っているということに基づく判断は、今回の信用サイクルが終わるまで差し控えられるべきだと、抜け目なく言う投資銀行家もいる。世界規模の銀行はつぶせないという神話を崩壊させたシティバンクの災難は、カナダの銀行の成功とあいまって(別記事参照)、複数の国内大手銀行によって成り立つシステムが機能するかもしれないことを示した。

 

何らかの根本的な規制上の修正は、政府に対していくつかの人工的な境界の線引きをすることを求めるかもしれない。よく見られる預金を受け入れる機関と市場での資金調達で成り立つ機関の区別を例にとって見よう。前者は保護されるべきで、後者は保護されるべきではない。市場での資金調達で成り立つ機関の多くが、年金やミューチュアル・ファンドの形で個々の投資家からの資金で成り立っていることを考えると、この区分も当初考えられたよりは曖昧になっている。

 

同様の問題が、容認可能な活動と容認不可能な活動の間の境界の定義でも存在する。新興市場でのリーダー、スタンダート・チャータードの社長、ピーター・サンズは、金融業の中には、事業法人に対する資金管理や貿易金融といった、批判の対象になっておらず、非常に重要なことを行っている分野で、狭義の銀行の定義には含まれなくなってしまう分野が存在するという。

 

それ以上に、どのような形式であれ、貸付はリスクをはらんでいる。小規模事業に対して貸付を拡張することは、銀行業務の中で最も危険なことのひとつだ。しかし、納税者の明らかな支持を得ることができる。これに対して、クレジット・デフォルト・スワップは非難の対象になっているものの、有効な機能を提供しうるものである。「我々は、貸付リスクに対する保証を買うのであって、それを売りはしない。壊滅的なリスクに対する保証を買うのであって、売りはしない」と、今回の危機に関する話し合いで成功を収めた銀行の社長は言う。政府保証で守られているときには、自己資金での取引は正当化しづらい。しかし、銀行が買い手と売り手の間で値付け業者として機能するのであれば、自己資金で取引をすることに由来するリスクをとることになってしまうだろう。

 

この整理されていない数々の選択に直面して、ビジネスをどの分野で行っていくかの揺るぎのない判断を下すことのできる常識的に則った考え方は存在しない。ビジネスモデルではなく、経営者の質が、銀行間の業績の差異をよりよく説明するようになるだろう。概念的には、役員会や金融機関の戦略を懐疑的に監視し、必要に応じて効率的に介入を行うことができるような機動的な規制の枠組みが正しいアプローチだ。いずれにせよ、金融機関のバランスシートの組織的な変更は、銀行がどのようなビジネスを行っていくのかについて大きな影響を与えるようになるだろう。

 

[訳注1]

ここであげられている銀行を整理してみると、JPモルガン・チェースおよびバンク・オブ・アメリカは伝統的に商業銀行に区別され、その他の二つは投資銀行に区別されます。前者が後者を救済のために吸収したことで、記事の指摘どおり、リテールを行う商業銀行と投資銀行が一体となった巨大機関が出来上がってしまったことになります。

 

[訳注2] グラス・スティーガル法

1933年に制定された投資銀行業務と商業銀行業務を分けるための法律です。両者の業務を分離する規定は1999年に廃止されました。

 

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