スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| スポンサードリンク | | - | - | pookmark |
Entry: main  << >>
A special report on international banking – Rebuilding the banks (その1)
JUGEMテーマ:時事ニュース
JUGEMテーマ:経済全般
 

2009516日号のThe Economistに掲載された銀行に関する特集から、「Rebuilding the banks」の前半です。

 

これまでの銀行業と今日の状況についての説明です。

 

一番最初の段落が説明するように、銀行の本来の役割のひとつは、「間接金融」の担い手であることでした。余剰資金がある人から預金の形で資金を集め、資金を必要としている人にそれを提供することです。この役割がないがしろにされ、いわゆる「手数料収入」を銀行が追い求めたことが今回の金融危機の要因のひとつだと思います。
==================================

国際的な銀行に関する特集 − 銀行の再構築

A special report on international banking - Rebuilding the banks

 

よく飼いならされた銀行業界が、古く破綻した業界の瓦礫の山からすでに現れてきていると、アンドリュー・パルマーは言う

A tamer banking industry is already emerging from the debris of the old, failed one, says Andrew Palmer

 

銀行業界は、破綻してしまった産業だ。銀行は、資本を産業と消費者の間で効率的に分配することになっていた。しかし実際には、借り入れを望む人にはどんな人でも資金を注ぎ込んだ。銀行は、短期の債務[訳注1]を長期のローンに置き換えるリスクを巧みに管理することで利益を上げることになっていた。しかし実際には、そのリスクによって破滅してしまった。銀行は、経済の中で信用の流れを促進することになっていた。しかし実際には、流れを止めることになってしまった。

 

今回の破綻にかかる費用は巨大である。金融システムを救い、経済を復旧させるための政府の必死の努力は、国家財政に長い間傷を残すだろう。IMFの計算では、経済的に豊かなG20諸国の政府の借り入れの平均は、GDPに対して、2000年の70%、1980年のたった40%から、2014年には100%を超えるとされている。

 

銀行救済に関して一般の人々が激怒しているにもかかわらず、業界では、その所有者をも完全に失望させてしまっている。株主の富の破壊の規模は、驚異的なものである。業界全体の時価総額は、2008年には半分以上落ち込み、2003年以来あげてきた利益を消し去ってしまった。

 

従業員もあまり良い状態ではない。ポルシェを乗り回している反社会的な存在という銀行員に対するありがちな捕らえ方が、業界で働く人の多くが適切な水準の支払いを受けており、支店、情報技術部門、コールセンターで勤務しているという事実を忘れさせてしまっている。業界における失業は非常に激しい。「終わった(Being Done)」という言葉は、かつては年次のボーナスに関するインタビューの事を意味していた。今では、解雇されることを意味する。アメリカの金融サービスの会社は、好調の絶頂にいた200612月以降、50万人程度の解雇を行った。そのうちの半分以上が過去7ヶ月に集中している。多くの場合、永遠に解雇されたままだ。

 

痛みが終わりに近づいたということはない。今回の信用危機は、米国のサブプライム・モーゲージから始まり、他の資産クラスや別の地域に徐々に広がっていった複数の危機の連続で成り立っている。今、投資銀行の世界では、かすかな楽天的な見方が生まれてきている。市場取引の帳簿はすでに大幅に評価の切り下げが行われており、実体経済に対する信用リスクもかなり絞られてきたというのだ。しかし、ほとんどの銀行が、消費者や企業の破綻が今後も増加することにより、さらにひどい状態に陥ることに対する準備を行っている。最新の世界金融安定報告によると、IMFは金融機関が被る支払いの総額は41兆ドルに達すると推測している。

 

赤字がさらに広がる可能性がある中、今回の特集の内容のように、銀行の将来はどうなるのだろうと問いかけるのにはまだ早いようにも思える。ほとんどの産業にとって、この規模の失敗は最終的には破滅を意味するだろう。銀行業界では状況が異なることは周知の事実だ。今日までの危機の中でもっとも劇的な出来事である昨年9月のリーマン・ブラザースの破綻は、巨大な金融機関を破綻に追いやる費用を明らかにした。信用は蒸発し、貸付は干上がった。「10月は自分の経験の中でもっとも不安な時期だった」とロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)の社長、ゴードン・ニクソンは語る。「グローバルの金融システム全体が行き詰る可能性があった」

 

複数の政府が協力して行ってきたそれ以来の対応は、資本の注入や債務の保証という形式から始まり、最近ではローンの買取や保証の形式で行われた。これらは、政府が巨大な銀行を安定化させ、問題をきれいにする決意の現れであった。

 

政治的な駆け引きはあるものの、銀行システムを守るという政府の確約は、最大手の金融機関に対する現存する危機を取り除いた(もう少し正確に言うと、政府の借り手[訳注2]に危機を移行させた)。銀行のトップは、将来についてあまり確信を持って話をするべきでないことを学んだ。IMFの損失に対する予想が正確だということになると、金融システムの資本はまだまったく足りない状態にある。しかし、多くの人がリーマンのような破綻が再度起きる可能性は、大幅に減ったと考えている。

 

政府が銀行に提供することになる可能性のある援助の性質や規模についてはまだ明らかになっていないところがたくさんある。しかし、政府は、今や銀行システムに深く組み込まれてしまっている。危機以前よりもより多くの個人向け預金の保証を行っている。新たに発行される債券の保証を行っている。多くの銀行の優先株、それ以外の銀行の普通株を保有し、さらにそれ以外の銀行に対しても資本注入の用意をしている。政府のお金をまったく受け取っていない銀行でも、政府の安定化に対する姿勢から恩恵を受けている。「現在は政府の気前のよさのおかげで存在し続けている」とある銀行の社長は言う。

 

銀行が直面している損失の種類も変わった。危機の最初の段階で行われた市場取引の帳簿上の資産の大幅な評価切り下げは、非常に予測が難しいものであった。取引の仕組みの複雑さが、証券化資産の投資家の損をどこまで膨らんでいくのかを知ることを困難にした。信用度の低い、必要書類の整っていない借り手の不完全な借り入れ履歴は、デフォルト率を正確に計測することを困難にした。そして、時価評価会計は、買い手が不在であることや内在する貸付の質を反映した価格で流動性の低い資産[訳注3]を銀行が評価することを意味していた(最終的には、会計制度を決定する団体は脅されて、どのように資産を区分し評価するのかの判断を銀行が行うことを許容した)。

 

ローンの取引帳簿上で銀行が諸工面している損失は醜いものではあるが、それらは比較的予測可能なものである。衝撃はまだ想像の範囲内だ。たとえば、バブルの大きさやその破綻の規模は、失業率とクレジットカードの損失といった過去に基づく関係を意味のないものにしてしまうかもしれない。しかし、ローンの損失は、会計上、比較的ゆっくりと計上することが可能である。現在調査が行われている資産は、サブプライの時のものよりもずっと巨額かもしれないが、その内容はより理解されている。「不況の規模は前例のないものだが、なじみのある内容だ」とバークレーズの社長、ジョン・バレリーは言う。

 

[訳注1]  短期の負債 short-term debt

銀行の本来の役割は、多くの人から預金を集めて、資金を必要としている企業に貸し付けることです。企業や個人にとって、預金は「資産」ですが、銀行にとっては、それらの人に将来返却をしなければいけない「負債」です。ここで使われているshort-term debtは、銀行にとっての負債、「預金」を意味しているものと考えます。

 

[訳注2] 政府の借り手 Sovereign borrower

政府が借金をしている相手、納税者のことだと考えます。

 

[訳注3] 流動性の低い資産 Illiquid Asset

Liquidityという言葉は、資産の売却のしやすさを図る場合と、資金調達のしやすさを図る場合があります。この場合は前者の意味で使われています。保有している資産が売却しづらい状態の場合、その資産の価値は本来の価値よりも低く考えられます。

 

| Merlion | 05:45 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
スポンサーサイト
| スポンサードリンク | 05:45 | - | - | pookmark |
Comment








Trackback

Calendar

      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< July 2017 >>

Sponsored Links

Profile

Recommend

Search

Entry

Comment

Archives

Category

Link

Feed

Others

無料ブログ作成サービス JUGEM

Mobile

qrcode