スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| スポンサードリンク | | - | - | pookmark |
Entry: main  << >>
Dubai - A new world
JUGEMテーマ:時事ニュース
JUGEMテーマ:経済全般
 

2009年4月25日付、The EconomistのFinance and economics欄に掲載された記事です。

 

ドバイは今回の金融危機の中でもかなり早い時期からバブル的な開発をしていると指摘されてきた地域だと思います。ドバイから帰ってきた人の話を聞いても、バルブ崩壊を目の当たりにしたような話を良く聞きます。でも、今回改めてインターネットでドバイの写真をいくつか見てみましたが、確かに美しいですね(過去形になりかかっているのかもしれませんが)。

 

この記事を読むと、ドバイでの建設がかなりまずい状態にあることと今までブームを煽っていた人がいることがわかります。日本で生まれ、現在シンガポールで生活をしている私としては、もともと資源がなく、外国への依存が多い国の行く末とは考えたくはないです。外国に依存している国が、外国からの影響を過度に受けないようにするためには、自国のビジョンをしっかり持たなければいけないのでしょう。シンガポールは、賛否両論ありますが、進む方向はしっかり提示しているように思います。日本は果たしてどうでしょうか?
================================

ドバイ − 新しい世界

 

「金融危機は首長国に大きな打撃を与えた、しかしもうだめだと考えるのは間違いだ」

 

首長国の三大開発業者のひとつ、ナヒール社によって、ドバイの沿岸に作り出された300の人工の群島からなる「The World[訳注1]に、最初の華々しい住民はすでに自分たちの家を構えた。ブリモドキやブダイが島を取り囲む人工のさんご礁に移植された。3400万トンの岩でできたさんご礁は、島の周りで保護的な円の形をなしている。湾岸地域の海流が徐々にThe Worldを洗い流してしまうことを防ぐための防波堤である。

 

多くの批判のとおり、ドバイ首長国の経済はナヒール社が作った島々と同じぐらい人工的なものである。首長国は、資金と労働力を借り入れ、不動産に対して投機的な賭けをした。The Worldは、その突飛な例の一つに過ぎない。現在、政策立案者たちは、不動産価格の低迷、貿易と観光客の減少、そして、過去に経験したことがない程自国の野望に対して資金を補充することの困難といった逆流から首長国の繁栄を守るための経済的な防波堤を作ることに追われている。

 

ドバイ政府および政府が管理する会社の負債は約800億ドルである。今年およそ110億ドル(利息を含む)が、来年124億ドルが返済期日を迎える。ナヒール社だけで、12月に35.2億ドルの債券を、さらにその5ヵ月後に35億ディルハム(9.8億ドル)相当を借り替えなければならない、とエジプトの投資銀行、EFGエルメスは指摘する。

 

ドバイの防波堤の岩は隣国アブダビによって提供されてきた。アラブ首長国連合の中でもっとも裕福なアブダビは、連合の石油埋蔵の94%を占めている。中央銀行を通して、予定されていた200億の発行の半分、100億ドル分のドバイの債券を購入した。2月に発表されたこの救済は、ディフォルトに対する保険費用の低下が示すように[訳注2]、事態を沈静化させた。経済は、「危機的な雰囲気から、解決を目指す雰囲気に」移り変わった、とドバイの首長、シーク・ムハンマド・ビン=ラシード・アール=マクトゥームは、この8年間で初めて、418日に報道者とのオンライン討論の中で記載した。

 

なんとなく知られている半官の会社「ドバイ・インク」のもとで群島を作り直すことも対策のひとつに含まれている。これらの団体は、多くの場合、ドバイ・ワールド、インベストメント・コーポレーション・オブ・ドバイ、そしてシーク自信が保有するドバイ・ホールディングの三つの持ち株会社のひとつに分類される。それぞれの持ち株会社が独自の大手開発業者、ナヒール、エマール、ドバイ・プロパティを保有している。

 

首長は、私企業のように経営されるこれらの会社に権限を委譲することに前向きだった。会社間の競争が、反応の鈍い都市開発の省庁と異なり、緊張感を維持させているのだ。しかし、これらの開発業者はまた、他を出し抜こうとするあまりしっぺ返しをうけた。エマールは世界でもっとも高層のビルを建てようとしていた。そこで、ナヒールは、このビルを凌ぐ1キロタワーを発表した。政府はこれらの会社の背後に立ち、実力以上のことを行えるような自信を与えている。それぞれの計画について整合性があり、実現性があることを確実にするように、これらの会社を政府が監督することはしないのだ。

 

ブームの間は、供給がそれに対する需要を作り出しているように見えた。開発業者は、地面が掘り出される以前にさえ、10%かそれ以下の頭金を払ってもらうだけで、不動産を販売していた。これによって、投機筋がひとつ分の値段で10個のアパートを買うことができた。2度目の分割支払いの期日が来る前に売却して利益を上げることを狙っていた。

 

ドバイが特定の地域の自由保有不動産の購入を外国人に許可してから30ヵ月後の20089月に市場が最高点に達した。公的なデータがない中、私的に作成された複数の指標によると、2008年の最終四半期には価格はおよそ25%下落した。2009年の第1四半期には同程度の下落が起こる可能性がある。

 

ドバイの積極的な建設業者ですら思い違いをすることはできないことを市場は示している。3月に、ビジネス誌、ミドル・イースト・エコノミック・ダイジェスト(MEED)は、アラブ首長国連邦の建設業者が3350億ドル規模の建設プロジェクトを延期したと算出している。ある2年間のプロジェクトは、その進行が非常に遅くなり、完成までに20年はかかるだろうという。1キロタワーの発表の3ヵ月後、ナヒールは計画を延期した。

 

ドバイ・インクの再建が始まった。ナヒールは12月に社員の15%を削減し、それ以来社員数を減らし続けている。シーク・ムハンマドが保有するドバイ・ホールディングも社員を削減した。「昨年は、いくつ家を持っているかを語り合ったものだ」とドバイのある長老は言う。「今は、仕事を失った友人が何人いるかを語り合っている」。他国の経済は、失業者が税金の支払いを停止したり、社会保障を利用し始めるような自動的な財政安定化促進策から利益を得ている。アラブ首長国連邦は、自動的な不安定促進策によって打撃を受けている。外国人が仕事を失って30日がたつと、滞在する権利がなくなってしまう。一度国を離れると、ドバイにいた元移住者たちは自分たちが後に残したドバイの経済で消費することはまったくない。

 

会社は、しばしば、社員が次の仕事を探している間、無給ではあるが、社員名簿に載せたままにする。しかし、EFBエルメスは、ドバイの人口は今年17%減少するだろうと予測する。労働力は、拡大時にはそれに合わせて増加していたように、縮小する経済に合わせて減少するだろう。あるドバイの建築家は提言をした、かつては移住してきた建築労働者が一部屋に8人も住んでいた今では空になった労働者用のキャンプを、それらの労働者がかつて雇われて建設していたアパートを借りることができなくなってしまった人々のために、手ごろな住宅に立て替えたらどうかと。

 

しかしながら、ドバイは恵まれた隣国の中に位置している。お隣の首長国、アブダビは920億バーレルの石油貯蔵とおそらく3000億円を超える資産を保有する政府系ウェルス・ファンドを保有している。アラブ首長国連邦の連結バランスシートは過度に誇張されていることはない。ただ単に、ひとつの首長国が資産のほとんどを保有し、その隣国が負債のほとんどを保有しているのだ。

 

「恵まれた隣人政策」

ドバイの危機が深まるにつれ、すべての人が、石油が豊富にある隣人が助けの手を差し伸べるのを待ち望むようになった。待ち望む期間は、9月に危機が始まってから中央銀行がドバイの債券の購入を決定することが2月に発表されまでの間、苦悩にあふれる数ヶ月に及んだ。遅れてしまった原因はなんだろうか。ドバイが助けを求めるのを躊躇したこととアブダビが見返りとして4%以上の金利を求めたことだと、多くの評論家は言う。アブダビはドバイの羽が刈り取られ、連合の結びつきが強化されるのを良しとしなかったのであろう。

 

しかし、モルガン・スタンレーのジージ・マクールは、首長国連合が十分に検討を加えたことを、彼らが家族に関するメロドラマを演じていたかのように描くのは間違いだと指摘する。「アブダビの人々がドバイをどうやって痛めつけようかと企んでいたとか、ドバイの人々がどうやってアブダビからお金をむしりとろうとしていたかと企んでいたとかということではない。と彼は付け加えた。助けの手は11月まで延長されたのだと、彼は言う。

 

シーク・ムハンマドは、オンライン・インタビューの中で、メディアによる「アブダビとドバイの確執をでっち上げ」ようとする「さまざまな試み」を非難している。彼は、危機が始まって以来のメディアの攻撃について不満を持っている。「この地域の外から人々の中にはドバイのやり方が川に流れていってしまうことを望んでいる者がいることを私は知っている」と彼は言う。

 

ドバイに関する批評家たちは、自分達がドバイの開発業者を軽蔑するのと同じぐらい、大げさに書きすぎる嫌いがある。ドバイのやり方には深い根源がある。なんといってもドバイは1950年代に、入り江を掘り下げるための資金調達をするためにクウェートに債券を販売したとき以来、インフラに投資するために借金を続けている。この投資の結果は、時には自信過剰なものに終わってしまうこともあるが、感心するほど大成功することもある。ジュベル・アリ・ポートは、例えば、世界中でもっとも大きなコンテナ船の埠頭のひとつである。

 

ドバイは、また「ソフト・インフラ」にも同様に力を入れてきた。例えば、ドバイ国際金融センターは、英国法と国際仲裁をロンドンから持ち込んだ。それを後ろから支える制度上の積み重ねは存在しないが。

 

ドバイが繁栄するために必要な機能は、西洋諸国には十分あふれている。これらの機能を魅力的なものにするためには、ドバイは西洋人たちが楽しむことのできる国に自らを変えてきたと、サウジから様子を見物している人が語っている。サウジアラビアは経済規模がさらに大きく、より興味深い仕事を提供する。しかし、必要とする法律家、金融関係者、その他の専門職を魅了することに苦労している。

 

すべての人が、飛行機を降り立ったその足で引き返したり、自国に帰るフライトを予約したりしているわけではない。ドバイに古くからある家族経営のビジネスは、イラン、インド、ザンジバルにその起源を遡るものであるが、好調で有頂天になっている時はもちろん、不景気の間でさえも首長国を捨て去ることはないだろう。ドバイは、その労働省によると、202の国から人々を集めている。気ままで軽はずみな人たちもこの中にはいる。しかし、他方で、この地域で住みたいと思うのは首長国だけだという人もいる。ナヒーム社が島の複製を作ることを決定する以前でさえ、ドバイは世界の縮図であったのだ。

 

 

 

訳注1 The World

2008年に完成が予定されていたドバイのリゾート・パラダイス。300もの群島からなり、上空から眺めると世界地図のように見える。実際の映像は、http://www.youtube.com/watch?v=7eUcRjo9Yv4をご参照ください。

 

訳注2 原文では、ディフォルトが起きた場合の保険費用と考えることができるクレジット・ディフォルト・スワップのスプレッドのグラフが掲載されています。2009年の初めに10%をピークとして現在では5%程度まで下落しています。

 
| Merlion | 18:15 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
スポンサーサイト
| スポンサードリンク | 18:15 | - | - | pookmark |
Comment








Trackback

Calendar

      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< July 2017 >>

Sponsored Links

Profile

Recommend

Search

Entry

Comment

Archives

Category

Link

Feed

Others

無料ブログ作成サービス JUGEM

Mobile

qrcode