The Economist誌、11月14日号に掲載されたデリバティブの解説記事の五日目です。
もう一つの改革の内容として取引を標準化させて取引所に集中させることを検証しています。取引所に全ての種類のデリバティブを扱わせようとしたら無理があります。いかに「標準化」が出来るかが鍵だと思います。最大公約数に標準化できれば利用者も増え、この記事が言うような価格の大きなぶれもなくなっていくと思います。そういった状況にありがならもさらにカスタム・メードのデリバティブが欲しい人には十分に費用負担をして購入してもらうようにすればいいように思います。
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Exchange of views 取引所を考える
改革は中央決済機関での決済への以降を推し進めていくだろうし、それはすでに進行中だ。しかしデリバティブを標準化し取引所で取引することを推し進める提案は新しく、さらに議論を引き起こすものだ。批判的な立場の人が信じるところによると、大手の取引機関は、取引所で取引されるデリバティブではなく、「複雑な店頭ものに顧客を導いていくことに対する強い動機を持っている。なぜなら利幅がずっと大きいからだ」と、サンディエゴ大学で法律と金融を専門とする教授、フランク・パートノイは言う。
規制当局である米国通貨監督局によると、過去十年間で現物およびデリバティブの取引からアメリカの商業銀行は実際に1150億ドルを懐に入れている。「銀行はトレーディング業務から生じる収益を一括して扱っているが、大部分はデリバティブから生じている」と、リサーチ会社、TABBグループのケビン・マックポートランドは言う。また、市場は集中している。アメリカでは、主要な取扱い銀行5行がもつデリバティブ契約の価値は全体のおよそ95%を占めている。今年は、トレーディングでの儲けが特に大きかった。2009年の上半期に、アメリカの銀行は150億ドルを稼いでいる。市場内部情報に詳しい業者間売買業者は、ヨーロッパの最大手の銀行のデリバティブの収益は少なくとも同じぐらいの大きさだと信じている。
業界団体、国際スワップデリバティブ協会の最高責任者ロバート・ピッケルは、暴利をむさぼっているのではないかと言う批判を退けている。彼によると、利用者は常に別の取引先に電話をして一番よい価格をルことが出来る。そして、取扱い銀行は負っているリスクに対して見返りを与えられるべきだ。
そうだとしても、取引所は、店頭デリバティブの買い手に対してさらに広い範囲の価格を入手可能な状態にすることで、銀行のトレーディング業務の収益を蝕んでいくことになるかもしれない。しかし、店頭デリバティブ市場が取引所の基盤を利用するようにさせることは、決済を集中させることよりも難しい。取引所で取引されたものを集中決済することは出来るが、逆は成り立たない。
償還日がばらつくだけの単純な店頭契約であれば評価することや証拠金を課すことも容易である。しかし、取引所への上場を正当化するは、売買を行う人たちに十分な利益をもたらすものではないかもしれない。さらに、店頭デリバティブ取引は通常規模が大きい。取引所では、単独の注文が価格を動かしてしまい取引を行っている人たちに不安を生じさせることになる可能性がある。マックポートランド氏は、この状況をeBayではなくアマゾンで本を買うことになぞらえている。アマゾンではしばしば余分にお金を払う。しかし、少なくとも事前に価格を知っている。
(明日に続く)
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